「助けて〜ロイドマン」にはまってしまった。キャラクターそれぞれが個性があってとても面白い。 続きが見たい。

国や年齢を越えて評価されるに相応しい作品。とにかくコメディとして大変に優れている。アニメにおけるコメディタッチのシーンはギャグかパロディがほとんどで、上質なシチュエーションコメディを見られる機会は少ない。本作のコメディはサブカルに寄り過ぎず、普遍的でありながらも、ちゃんと笑える新味がある。海外での評価が高いのは、文化を越えるだけの「笑いの構造」がしっかりしている証左だ。アニメーション、音響ワーク、シナリオも高い水準が維持されており、破綻が一切ないことはもっと賞賛されるべきと思う。キャラクター造形も秀逸で、色物に見えかねない設定を良い塩梅でまとめ上げているバランス感覚も素晴らしい。続編が期待されるところだが、今後はマンネリ化との戦いをどういなしていくかが最大のポイントか。「戦争」がテーマに盛り込まれているので、そのあたりがどう展開していくか楽しみだ。

日本生まれの有名なホームコメディと言うとクレヨンしんちゃんとかちびまる子ちゃんみたいに数あれど、なかなかその方面でヒットを出すのが難しいこの令和の時代。そこにジャンプ＋から生まれた「正体を隠したままの仮初めの家族」という一癖ある家庭のホームコメディ＋スパイアクション物。核のテーマとして東西平和の為のスパイアクションというのを一貫して描いておりホームコメディの常識を良い意味で壊している傑作だと思います。個人的にそういう冷戦状態の中で生きる人々の描写も作品の魅力であり、令和の時代で生まれたホームコメディアニメの究極系だと思います。前述の通りスパイアクションもあって、作中でも語られる「冷戦状態・薄氷の上の東西関係」というかなり危ない情勢の中ではあるのですが「仮初めの一家」を演じていてのホームコメディ要素もある為、不思議と危険な雰囲気ばかりを感じず、それでいてロイドが黄昏としてミッションをする際にはやはり東国・西国はまだそういう関係である、ヨルが殺し屋として売国奴を始末という裏稼業が必要であるという現実を突きつけられたり…それでも彼ら3人の日常生活に笑わされたりと不思議な感覚もあった。特に人の心を読める娘・アーニャの存在はロイドにもヨルにもその能力の存在が備わっているのが分かっていない。だけど物語の数多くのシーンでこの能力が役立ち、一例として2クール目の序盤のテロリスト編という黄昏が早急な東西平和をと再確認するエピソードでは家族3人が知らず知らずのうちに連携してその中でアーニャもこの能力を使ってテロを防ぐサポートをしていたりと色々なエピソードのスパイスとして上手く使えている。そして能力関係無く子供故の言動やころころとした表情も見せるので可愛く、作品のマスコットキャラクターとしてもピッタリ。また、この子の能力を使ったことでロイド達が普段の生活の中で隠している「スパイ」や「殺し屋」視点での物語が視聴者にも要所要所で伝わる演出になっておりそこも原作ありきではあるがアニメになったことでより面白く感じた。Official髭男dismや BUMP OF CHICKENなどお馴染みのアーティストが歌う主題歌ミックスナッツ、SOUVENIR…etcに合わせてのオープニング・エンディング映像や物語を彩るBGMもオシャレ、サントラを買うほど好き。個人的にテレビだと土曜の23時という比較的リアタイしやすい時間も良かったし、放送中・放送休止中も昨今の配信の時代に合わせてテレビ放送直後にすぐAbema TVやプライム等を始め積極的に多くのサイトで配信、公式Twitterでアイコンや壁紙を配ったり主題歌やBGMの宣伝、去年の夏休み期間は企画としてHPでアーニャの絵日記の更新、仮初めでも「家族」ということでその設定を上手く使って様々な世代へ向けたマスコットキャラクターに起用（有名企業の教材等にフォージャー家が使われているのには驚いた！）等々、公式側の作品への広報活動も怠ることなく積極的でこの作品に対しての熱意を感じて楽しませてもらっている自分も嬉しかった。平和の為に日々精神科医として敏腕スパイとして暗躍する父ロイド。黄昏とは別に国の為に表と裏の顔を持つが純粋でちょっと不器用な優しい母ヨル。未来視が出来るアーニャが大好きなフォージャー家の一員なペットのボンド。そして、スパイアニメとピーナツが大好きで偽りという家族関係を子供なりに知っていながらもロイドとヨルとボンドが大好きな娘アーニャで構成されるフォージャー家。それを見守り（一部ゆがんだ愛情を持つ弟や同僚も居たり…）取り巻く人々、スパイファミリーのみんなが大好きです。2023年には早くも2期と劇場版が決定しているので楽しみ。彼らの偽りの家族生活の中にあるそれぞれの心情を見守りながら東西平和への物語がこれからどのように展開されていくか、原作と共にこれからも家族の行き着く先を追っていきたい1作になりました。深夜向けのアニメながら家族モノなので大人から子供まで楽しめる、出来るだけ広い世代に愛されて親しまれる既存のホームコメディとはまた違った新しいタイプのファミリーアニメな存在になって欲しいなあ。

とにかくアーニャがかわいい

流行りモノは観てみようの考え方から視聴。やはり、多くの人に受け入れられるからには、それなりの理由がある。たそがれ、夜さん、アーニャのキャラクターは、アニメキャラの良いとこ寄せ集めみたいだし。その3人から広がるストーリーは、スパイモノであったり、学園モノであったり、家族、恋愛、コメディ、切り口が多様である。全て、良いトコ取りの様だが、それを一つのタイトルの中で続けるには、何らかの整合性、芯が必要となってくるが、そこがブレない、散漫な感じにならない。制作者の素晴らしいところ。まとめ方の妙である。

※全話視聴済、原作未読、ネタバレ含む１期ではキャラを揃えるのに尺を使う事もあってか、スパイものをベースにコメディを乗っける感じだったけど、２期に入って落ち着いたのか、コメディの方がベースに。コメディのセンスはしっかりしているので、通常なら難しい（？）アーニャ、ヨルの「ダブル アホの子キャスト」でも難なく回せているのだけど、なまじ上手く回すせいでコメディ要素がかなり色濃く映る。中盤、夜帷（フィオナ）の登場で流れを引き締めるかと思いきや、彼女もコメディ路線の火に油を注ぐ。でも「このままではただのコメディ作品になってしまう！」と思っていた頃、最後の最後で標的（デズモンド）とファーストコンタクト。一気に原点回帰する。よかった。忘れてなかった。黒ずくめの組織が完全に空気と化した某探偵少年とは違った。これまでの人気や 今期の終わり方を見るに ３期は確定なんだろうけど、これは「３期は がっつりスパイもので行くよ」って事なのかな。今期全てをメリハリに使ったのなら、全部終わって振り返った時にこの作品を引き立てる 良いシーズンになるんだと思う。

思ってたのと違うアニメ。１話序盤と中盤で印象が変わり、終盤でまた印象が変わった。あ、ただの寒いギャグ漫画じゃないのね、、１話序盤でつまらないと感じても、少し我慢して続きを見たほうが良いと思う。マイナスポイントとしては・動物の絵に違和感（３D？）・村に懐いている犬みたいなキャラがイマイチ可愛くない今のところ、１話より２話、２話より３話の方が面白いと感じたため４話にも期待。

2000年代クオリティのCGを見てわかる通り、明らかに低予算・過密スケジュールですが、なんとか面白くしようという気概を感じます。そして実際、面白いです。例えば、止め絵の部分は色気や顔芸でインパクトを出し、カメラワークで動きをつけようとしています。作画コストが高い、動きの多いシーンはそもそも描きません。ドット絵でゲーム風にしたり、それでもだめなら実写も使っています。一方で、見せ場の戦闘シーンでは作画コストを惜しみません。一話でミタマが力を振るうシーンでは神の禍々しさがひしひしと伝わり、四話の戦闘には思わず見入ってしまいました。この”割り切り”は、全クリエーターが見習うべきものだと思います。そして何よりテンポが良いです。ギャグ、シリアス、お色気、サスペンス、ワクワク感……。それらのバランスのいいストーリーを、テンポよく進めていくので、退屈に感じることがありませんでした。アニメに限らず、世の中にはお金ばかりかけていて見るに堪えない作品がたくさんあります。そういった『商業的』な守りに入った作品が悪いとまでは言いませんが、真に見るべきは、この作品のような努力の滲んだものなのだと思いました。