原作を先に読んでいたので、全体的に違和感を感じました。小説の方が細かな描写や伏線を楽しめるからだと思いますが、読んでなければもう少し楽しめたかもしれません。ミステリー要素はありましたが、やはり終わり方等で物足りなさを感じました。原作を知らず映画だけで見るとモヤモヤだけが残る気がします……

役者が素晴らしいので見ました。映画の内容については賛否両論理解できます。

原作は未読なので分かりませんが、ミステリーやサスペンスを期待していると裏切られます。これは大人と子供、当時の受験戦争といったものに対し、親と子、人としての考え方、行動等を描いたものです。演出は少し舞台演劇を意識されたようですが、ちょっと声が張りすぎていたり、音を大きく鳴らし過ぎたりとリアル感が失せてしまうのが残念でした。でも内容は面白く伏線も上手く回収されていますし、役者陣が良いので演技のぶつかり合いが見応えありました。それにしても鶴見辰吾さんと杉田かおるさんの夫婦は『3年B組 金八先生』第1シーズンを思い起こさせて、ナイスな組み合わせでした。ただテーマ的に湖面の泡立つカットやラストシーンのミステリー要素は不要だったと思います。

「誰が犯人か」という観点で言えば、素直に観るなら作中で言われる通りなのだろう。しかし、それならば、序盤で蝶を踏み潰すシーンは余計だろう。その狂気が垣間見えていて、それで母親がすんなりと自白しようものなら、まぁそういうことなんだろうと誰でも容易に想像できる。そこで問題なのは、それであればということだが、講師を疑うことに費やすシーンなどは正に茶番でしかない。よもや彼が犯人だとは思っていないし、そのシーンを見ても尚、彼を犯人とすることに魅力は感じず、役所さん空回り感しか感じないない。物語性でも演技でもね。で、結局、想像通りの展開となるわけなのだから。或いは、結局誰が犯人かは明示されていないわけだから、斜めに見れば、様々な犯人説を仮説することが可能だ。アリバイや決定的な動機も描かれてはいないのだから。言ってしまえば、矛盾しない限りどうとでも話は造れるのだ。まぁそういう意味では、この構成には面白みが隠れていると言えるかもしれない。詰まるところ、「犯人が誰であれ」といったところだろう。犯人が誰であれ、犯人以外、登場人物たちはその全容を誰も把握していない。いや把握する必要はないのだ。それはつまりコチラ側も。問題は、事件が起こった事実それ自体なのだから。「身勝手で無責任で欲張りで臆病な」親たちにとってはね。それで足並み揃えちゃったらホント救いようのない愚か者達でしょ。皆さんはどう思います？そこのお父さんお母さん、どうですか？やっぱり狂ってる？でもよく考えてみてね。的な話。これだけを考えれば、近年作の『人魚の眠〜』の母親も同様に思うし、東野圭吾さんらしい極端だけど芯があって問いかけてくる感じの心理描写かなと。だけど根本的に違うことは、子どもの立場。決して混同しちゃいけない。そして、足並み揃えちゃったらそれは性格的にまったく別物。あくまで個人的だからこそ共感もできるってもんだ。普遍的に主張されちゃったらそりゃ馬鹿言えって話になっちゃう。これは皮肉的にそういう作品なんだろう。ここでもう一つ、斜めに見たことを言うならば、犯人を含め全員が事件そのものを隠蔽しようものなら、犯人にとってこんな好都合はない。愚か者達を上手く操ったといえる。そして犯人は・・・、なんてね。愚か者達の群像劇に隠した、それこそ作品の狙いなのかもしれない…し、違うかもしれない。ま、とかくなんか付けたくなるのよ、味をね。だって、素直に観たまんまじゃ味気ないんだもん。ロコモコプレートにソースやドレッシングがかかってなくて、目玉焼きがない、みたいな作品かな。不味いとまでは言わないけど、これじゃぁ...って感じ。あっ今日食べたもんだからついつい（汗）いずれにしても、救いがあるとするならば、「頑張って作り込みましたよ、どやっ」感満載のラストかな。いろんな意味でね。まっそうだよねと一安心したというか、その後の物語が楽しみというか。(あっ霊とかそんな話じゃないよ。それに続編は要らないよ、想像ね。)

原作未読。”東野圭吾”に期待したんですが肩透かし。原作はもう少しまともなんじゃないかと推測します、東野圭吾ですから。本作をサスペンスと位置付けるなら、ひき逃げ事故あたりもみんなサスペンスになりそうです。その程度のミステリー感の薄さでした。お受験とそれに振り回されている受験家族・世情を皮肉りたい、という意図があるのなら、ドラマとして伝えることはできていると思います。尻切れ感満載で後味悪いですが。

作中で言われてるくらいの動機で子供が殺しますかね？ある程度お利口さんな子供なのに殺しっぱなしにしますかね？稚拙であっても隠蔽しそうと言うことで違和感のある作品でした

映画独自の演出でしょう。あれですべてが台無しになりました。なんで最後にホラー要素をぶちこんだのか。そこまではThe邦画という感じでもや～っとした雰囲気がそれなりにいい感じだったのに、残念でなりません。ラストの台無し感は『羊の木』を彷彿とさせます。テーマは時事性のあるものだったので、今の時代の人にはピンと来ないのかもしれませんが、当時としてはそれなりにおもしろいものだったのだと思います。近年の付けられたレビューを散見すると歴史的背景を知らないと面白いと思わない人もいるのかもしれないなと感じました。当時はそれなりに話題に上がった作品で、原作は今や超人気作家となった東野圭吾。ずっと見たいと思っていた映画だったのでショックは少なくないです。

出演者はとても豪華なメンバーが揃っていて、作品的にも大きな期待を抱かせるのだが、ミステリーとして最後の最後で真犯人が二転三転し、ああいう結果に落ち着くことが、何かしら不条理な気がしてならない。社会的、人道的に不適切な行為をした者が裁かれるという形になるが、果たして、その通りの結末に到達するかどうかはわからない不特定要素が多く、モヤモヤ感が残るのである。

ライブ映像は何度か見てますがこれも良いライブで楽しいですね。ファン以外でも楽しめる内容だと思います。