化粧品？のＣＭではありません。主人公が純真な人間の対比なのか、他が暴力的な男女ばかり出てきます。不倫不倫の板挟みで、主人公も視聴者もずっと針の筵状態です。主人公の台詞と映像が食い違ってる場面が多いので戸惑います。（明らかに引き攣った笑顔をしているのに、満面の笑みと言ったり）

☆追記☆ドキュメンタリーだったとは！★気に入ったこと変なタイトル、と思って見始めましたが、良い映画です。ドキュメンタリーっぽいところもあり、カメラが回っていない（風）のところもありで、技術と演出が良かったです。サブタイトルなどテロップが日本語ででます（字幕ではない）。これは世界で見られることを想定して、ノルウェー語や英語でのテロップ＋字幕ではない方法にしたのでしょうかね。配給時に「ここにテロップいれてね」ってことなんでしょうかね。よかったです。全員、演技がすばらしいです。バルボラの、絵の描き方が素敵です。重要なところから描く、大切ですね。ノルウェーでは入れ墨がレギュラーっぽく、カラフルでした。全部が全部そうなのかはわかりませんが、元犯罪者は「元」であって、それ以外ではない、という接し方が良かったです。カールの「おれのいいところも聞いてくれよ！暗いばかりじゃないんだよ」って言葉は、バルボラだけではなく、全員に向かっての言葉にも感じました。ノルウェーの刑務所、いいですね！★気に入らなかったこと気に入らない、というか笑ってしまった字幕の間違い。「筋肉隆々」が「筋肉粒々」に・・・！ひき肉だ！★どうやって使ったかPCとTVをHDMIでつないでみました。〓画家と泥棒（字幕版）〓

人の心の奥深いところにある、人への愛「人は不完全だから愛おしい」共感しかありませんでした。展開を期待させる営業的な映画宣伝を鵜吞みに期待をして見ると、物足りないかもしれません。が、とても素直なストーリー、シンプルな人間愛と描写に共感と感銘しかありませんでした。忘れかけていた、素直な観察目と、ストレートかつ思いやりのあるコミュニケーションそれぞれの大切さを改めて気づかせてくれる作品でした。人に勧めらるかと…いうと、正直わかりませんが私は何回も見てしまうと思います。そのたびに涙してしまいそうです。

長い時間を掛けて描き上げた絵を美術館から盗んだ相手。それも、肝心の絵の行方は知らないと主張する、そんな相手の罪を赦せる器の深さは芸術家ゆえなのだろうか…。その感覚は、どう想像してみても絶対に私の中からは出てこない。始めのうちは、なるほど、なんとか口を割らせるために時間を共有するのが目的で、自分の絵のモデルになるよう指示したのだな、と思って観ていたが、話が進むにつれ、「これは罪を憎んで人を憎まず的な、宗教観によるものなのか？」「もはや母性愛か？ドラッグ中毒のジャンキーを立ち直らせねばという勝手な使命感？」果ては「庇護欲に近いものなのか…？」などとあれこれ逡巡してみたが、やがて、どうやら画家自身も自らの心の内奥に深く抱えてきた痛みを男の内に投影しているのだなと感じるようになった。一見すると共依存とも映る関係だが、それよりも戦いをくぐり抜けてきた戦友に近いような…例えば男女の恋愛関係とはまったく別物の、破壊を経て傷付いた魂と魂が呼応して、互いにそっと触れ合うような、繊細でいて強固な絆が築かれていく。最後、スクリーンに現れた1枚の絵が、それらすべてを顕しているのだと感じた。

絵画を盗まれた女性画家と絵画を盗んだ泥棒が心を通じさせる物語。この映画で見られるような北欧の犯罪者への寛容さは日本では許容されないだろう。そこには「人間は罪を犯すものである」という思想が根底にある気がする。人間は弱い。だから誰かとつながっていないと不安で仕方ない。それがたとえ被害者と加害者であったとしても。

2020年のベストドキュメンタリー映画だそうです。ノルウェー映画です。北欧の映画って、いわゆるヨーロッパ人の感覚とは完全に別ですね。価値観も違うし、道徳感も違うし、美意識も違う。一人の女性画家とジャンキー（ヤク中）の交流を描いています。ドキュメンタリーですから、彼らの人生の一部を切り取っています。もちろん演技しているのではありませんが、切り取った各パーツをつなぎ合わせて、監督の意図通りの作品に仕上がっています。では監督の意図とは何でしょう？この映画の優れたところは、説明的ではないことです。この異様な組み合わせの二人を追うことで、観る人が自由に感じて欲しいというスタンスです。うまく説明できないけれど、画家はこの男の中にものすごく純粋なものを発見したのでしょう。常識的な判断力があれば、こんなクズ男に関わることは身体的にも精神的にも危険だと見抜くでしょう。彼女のパートナーもそうアドバイスします。しかし彼女は（芸術家の）直感を信じて、男の心の中に飛び込んでいきます。男の方も、最初は彼女が何か企んでいると疑います。・・・・・・・映画は、二人が重なり合っている絵で終わります。これは、二人が実際に肉体関係を持ったという意味では全くありません。肉体を超えて、精神的な次元で二人は完全に同期（シンクロ）したことを表しています。そこには、外見からは窺い知れないピュアな世界があります。まあ、すごい映画です。

物語性より、画家としての思考・行為が、ノルウェーの社会や人間と、どう繋がっていくのかに興味を惹かれました。犯罪者の扱いも、刑務所の生活も、日本とは違うな～と思いました。

絵画の窃盗事件は世界中で起こっており、その多くは高額な価値がつけられた有名な画家の作品。しかし、本作で盗まれたのは、決して有名ではない画家の有名ではない作品だ。その上、自分の絵を盗んだ犯罪者に「絵を描かせてほしい」とお願いするのは、パートナーも心配するように、いわゆる“普通”の感覚ではないと思えてしまう。しかしながら、その“普通”ならざる者たちが邂逅した先には、数奇な友情の形が垣間見えた。視点を変えて徐々に見せていく構成も良い意味でドキュメンタリーと感じさせない絶妙な働きをしている。盗んだベルティルの内面の闇を見ていくうちに、次第に画家のバルボラの抱える闇も見えていく。人の絵を描くという、「見る・見られる関係」を通して、赦しを超えた互いの深い部分までつながっていくラストには震えた。展示会から釘を抜いて消えた絵が、再び釘を打って展示される。新たに加わった作品には、「画家と泥棒」の関係を超えた2人の魂の交わりをみた。分断が進む社会の中で、一見すると交わらざる者たちが交わるとき、そこに光が差す瞬間が見えた。見事なドキュメンタリーだった。